透析センター
維持透析の進歩は末期慢性腎不全患者の救命治療にとどまらず、長期生存を可能にとし社会復帰を可能にするほどまでに質的向上を遂げてきました。透析センターでは、最新の腎臓病学ならびに透析医学の知見に基づき、ひとりひとりの患者様にそれぞれ最善の治療を行っています。
急性期医療をバックアップするための特殊血液浄化療法や透析によって生じる合併症に関しても他の医療センター(脳卒中センター・心臓血管センター・創傷センター・画像診断センター)との連携を行い、高度な医療を提供しています。
特長
- 透析の導入期から維持透析までの全てを自施設で行っています。
- 急性心不全・急性腎不全・敗血症などのショック症例に対して、救命的治療を行っています。
- 内シャント造設手術については、心臓血管外科の専門医により行っています。
- シャントトラブルに対してPTA治療(バルーンを用いた血管内カテーテル治療)を行っています。
- 臨床工学士により、透析装置の保守点検や透析液の水質管理を定期的に行っています。
- 24時間オンコール体制で緊急時に対応しています。
担当医紹介
米本 俊良
吉岡 二三
日野 充
診療内容
慢性維持透析
慢性腎炎・糖尿病性腎症・腎硬化症などの病気が悪化すると、腎臓の機能が低下し、水分・老廃物・電解質など体液の調節ができなくなります。この状態を腎不全といい、進行すると水分や老廃物が体内に蓄積して、尿毒症・肺水腫・中枢神経・消化管の出血といった症状を引き起こし、生命の維持が困難になります。そのために透析が、必要となります。
透析とは、体外に取り出した血液をダイアライザーという人工の膜に通し、体内に溜まった不要な水分・老廃物を取り除く方法で、基本的には週3回、1回につき4時間行います。
持続的血液濾過療法(CHDF)

急性腎不全・急性心不全の重症例や全身状態の悪い症例に対して、持続的血液濾過療法を行っています。CHDFは少量ずつ透析を持続的に行うため、全身状態に与える影響が少なく、血管外物質の除去効率が高いというメリットがあります。
24時間の管理を必要とするので、ICUにて看護士・臨床工学士が連携して業務を行っています。
特殊血液浄化療法
血漿交換(PE)
血液中の悪くなった血漿成分を除去し、健常人の血漿成分(FFP:新鮮凍結血漿)や血漿製剤と交換する方法です。急性肝不全・急性膵炎・自己免疫疾患が、対象となります。
LDLアフェレーシス
血液吸着療法の一種で、血液中のLDLコレステロールを体外循環により除去する治療です。閉塞性動脈硬化症・重症虚血肢症例に対して治療を行うことにより、下肢血行障害によるしびれや冷感、跛行症状の改善、安静時の痛みなどの改善が認められます。
創傷センターでの、血行再建術が困難な場合や、必要に応じて、LDLアフェレーシスがおこなわれる場合があります。
血液吸着(DHP)
血液中や血漿中の特定の物質を膜などにくっつけることで除去する方法です。エンドトキシン血症・敗血症・家族性高コレステロール血症・肝性昏睡などが、対象となります。
シャント血管トラブル処置
シャント・人工血管のトラブルには、狭窄・閉塞・感染・瘤化・静脈高血圧・スチール症候群などがあります。手術時の癒着、動脈の血液が静脈に流れ込むこと、毎回針を刺すこと、シャントが流れ過ぎるなどが原因となります。シャント血管トラブルが起こると、透析が出来なくなったり透析に掛かる時間が長くなったりします。当院では、シャント血管トラブルに関して以下の治療方法を症例により選択しています。
シャントPTA
血流を確保するため、シャントの一部にシースという針を刺し、血管内にバルーンカテーテル(先に風船が付いている)を挿入し、閉塞・狭窄した箇所でバルーンを拡張させます。バルーンの圧力で内側から血管を広げる方法です。 手術の際は、X線透視下で位置を確認しながら行ないます。

シャントPTAの利点としては、①手技時間が短く、治療直後からも透析が行える②皮膚を切開せずに治療できるので身体への負担が少ない③再狭窄した場合でも、同じ血管の治療を何度でも行える、があげられます。
外科的治療
シャント血管が感染している場合や、シャント瘤を形成している場合には、外科的治療が優先されます。シャント血管吻合術・人工血管置換術など症例によって最も有効である治療方法を行っています。また、急性の血管閉塞の症例に対しては、フォガティカテーテルによる血栓除去術を行っています。

シャントトラブルの診断方法

当院では4D-CTにて、シャント狭窄・閉塞の評価を行なっています。
MDCTを用いて体積データと同時に時間軸の情報も同時収集することにより様々な利点があります。
シャント血管をCTで評価する利点としては、
- 非侵襲的検査であるため患者負担が少ない(造影剤を要する)。
- 3D画像なので、病変部やそれに関わる血管情報を理解しやすい。
- 検査の再現性が、非常に高い。
- 血流の情報が得られるのでスティール症候群の診断が容易。
実績
| 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
|---|---|---|---|
| 導入患者数 | 24名 | 18名 | 17名 |
| 紹介患者数 | 35名 | 40名 | 33名 |
| 持続的血液濾過透析 | 50件 | 64件 | 44件 |
| 特殊血液浄化療法 | 16件 | 12件 | 14件 |
| シャントPTA | 19件 | 17件 | 13件 |
| 内シャント造設術 | 29件 | 30件 | 18件 |











